久しぶりとなりました、「文字Beauty講座」始動。
「文字を書くために、文字の美を知ろう。」
そんなことのために始めました。
「文字を書く」ため。
そして、
「文字は美しく書こうとしなくていい!!」
美しくなくていいわけじゃないです。笑
美しさって、単純な要素じゃないんですよね、たくさんあるんです。
ちょっとずつその「美」について見ていこう。
あなたの字は、書ける。
これを念頭に始めております。
「美しい文字を書くために」 ではなく、
「文字の『美』を知るために」 の講座。 どうぞよろしくお願いします。
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扨、確認のために。
ペンの持ち方!! 文字は止まる!! この二つOKですか?おさらいをお願いします^^
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トップの画像をご覧ください。
私の、鉛筆による臨書(模写したもの)です。
文字Beauty講座 Beautyなんだけど美しく書こうとしなくていい。
今日はこれを書きましょう。
下の画像もご覧ください。
『九成宮醴泉銘』歐陽詢(632年)部分
「古典」です。「古典」つまり名筆中の名筆。歴史の中で これぞ!というもの。
書道をなさる人なら誰でも知っている。
高校書道Ⅰでも必ず習う。『九成宮醴泉銘』(きゅうせいきゅうれいせんめい)
です。
歐陽詢の代表的な作品としてとても有名です。
めちゃくちゃ綺麗な字じゃないか。って。
これがどういうものであるか。歴史講座はまた別にするとして、
ざっくり。
中国は唐の時代。初唐と呼ばれた最初期。
時の二代皇帝太宗(李世民)が避暑地として訪れた九成宮。
そこにたまたま、とても貴重な水が湧き出て泉となりました。
「これは皇帝の徳によるもの」と、そのことを記念し、碑を建てることに。
勅命により臣下であった魏徴が撰文、歐陽詢が書きました。
謹厳な楷書によるもので、「楷法の極則」と呼ばれています。
この『九成宮醴泉銘』のすごいところ。
たぶん、この書(字)をみて、「うまい」「うつくしい」と感じないひとはいません。
「文字」もしくは「実用の書」に対する『美』は、この古典一つで解説は済む。
といって過言ではありません。
現代のどんな「文字講座」も、これに準拠しないものはないと言えます。
(九成宮醴泉銘に対する説明のあるなしに関わらず)
日本では昭和初期から、教科書他、文字に関する規準をこの書風によるものとし、模範としてきました。
至る所この書風であったわけですから、その影響は隠せません。
文字は、自分で書きますが、半分は時代が書かせます。
昭和を通してこの書風が教育書体の規準となったからには、今の私たちもこの書風が美しいと感じないはずはありませんよね。知らず知らず、そう習ってきたわけです。
日本は、江戸時代まで、公用書体は草書(御家流)ですから、実は楷書を書けない人もたくさんいました。え?と思いますよね。楷書が規準になったのは明治です。もちろん江戸時代にも楷書はありました。江戸時代の人が九成宮醴泉銘を見たらどう思ったでしょう?それでも美しいとは感じたでしょう。きっと。
九成宮醴泉銘は歐陽詢が勅命によって、必死になって書き上げました。
全身全霊で挑んだはずです。「書」が最大の文化として重んじられた時代。自分が思う適度な書で済んだはずがありません。歴史を踏襲し多くを学び、作り上げました。
大唐の英知が詰まった完璧な書なのです。
中国が作った初めての都会的な書だな、とも思うわけです。
「文字Beauty講座」 今回は『九成宮醴泉銘』
完璧な美を、ぜひ書いてみてください。
しかしこれ、すんごい時間かかるんですよね。とても大変です。
それでも見ながら書くだけですから、歐陽詢はもっと大変だったはず。
現代の「実用」の規準なんですが、果たして本当に「実用」に向くんでしょうか・・・。
なんといっても「楷法の極則」ですからね。これ以上はないと。
「極み」なんです。
美しいマネキンに、美しい服が着せられている。
「美しい・・・」そう感じて、自分で着てみる。
『おい、ちょっと違うじゃないか!!』
もうちょっと実用的なマネキンを置いてほしい。
・・・美しい書なのですが、それなりに楽しんで書いてみましょう。どうですか。
こちら、A4でコピーしてご使用ください。
小野﨑啓太
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『九成宮醴泉銘』 ペン臨書
ペン:MITSUBISHI鉛筆B4
所要時間:25分
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是非完成原稿をお送りください。
アドバイス他、許可がいただければ当ブログ内でのご紹介もさせていただきます。