甲骨文 ※画像(二玄社・墨スペシャル第9号より)
これ、「書」に分類されるんですよ。
おどろきですよね。さすがに書道の公募展のようなところで、この実物が展示されることはほぼありませんが、こんなものをどう見たら良いのだろう? という疑問。
どうやってこんなものができたのかな。
何に書いてあるんだろう?
書いたものなの?
文字じゃないよ! マークだよ。 記号!
そう。考えてみると、文字と記号の違いって何だろう?
明確に答えることができますか??
甲骨文の歴史について
は別項目で☆
電車の中に乗ると、「優先席」書いてありますね、記号です。
なぜ記号があるのだろう?
「書いてあるじゃん、文字。」
それは、まずぱっと見て理解しやすいからですよね。
言語が違う人たちにも、そして、文字を見にくい、読めないなどの障害のある方、
その人達にもまず、すぐわかる! 言うまでもなく、それが記号の良いところでしょう。
文字はやっぱり、そんな記号から始まりました。
まずは誰もが見て分かる。 そんなところから。
でもそれだけでは足りない時代がやってきます。
たとえば魚が捕れたなら、「魚」の記号を書けばいい。
けれど、魚が何匹、どこで捕れたのか、なんの魚なのか。
それを表すには、もう少し記号が必要です。
AとBの関係性を表記しなければならないとき、
記号をいくつか並べました。
記号ごとにきちんと役割を決める必要もあります。
明確な意味を決める必要もあります。
それぞれ気ままに暮らしていた「記号」さん達ですが、
まとまった「社会」を作る必要が出てきました。
次第に膨大な量になっていく記号。笑 人口増加です。。
あなたはここ。あなたはこっち。
次第に構造的に、組織的になっていく記号。
いつしか、しっかりとした「文」がつくれるようになりました。
この頃やはり人間の生活も、「社会」「組織」になっていったのでしょう。
Aさんの名前とBさんの名前が同じでは困りますよね、
「記号」も「文」が作れるとき、やはり、「発音」とあわせていく必要も出てきました。
一つひとつに明確に音を決める。
読むことができるようになりました。
そう、「文字」と「記号」の違いは、
「文」を作れるかどうか。「音」があるかどうか! にあるのです。
甲骨文、これは記号の羅列のように見られますが、文法はしっかり漢語。
漢字の歴史を示すれっきとした「文字」なのです。
発音もあります、意味もあります。
でも、今の私たちが使う文字から見れば、やはりこれは、「記号」に見えます。
文字と言われても・・・。
そう思うだけで面白いですね。
以前こんなことを述べました。
「書は、あなたに届いた無意味な手紙」
https://onozakikeita.com/blog/syonomikata4/
書のみかたのまず第一の鉄則は、
意味を考えないこと! でした。
そうするとこの甲骨文は格好の練習台。笑
なんせ記号にしか見えず、 意味不明ですから。
でもなんか、ずっとみてると、
何かのキャラクターワールドみたい。
ひとつひとつ、動き出してきそうです。
次回、文字Beauty これ、書いてみましょう!