石鼓文の臨書といったら呉昌碩が有名。
生涯をかけて石鼓文の臨書をしたといわれています。
呉昌碩(1844~ 1927)は生前から多くの日本人との交流があり、
呉昌碩がその後の日本の書壇に与えた影響は計り知れません。
特に明治以降日本の篆刻作品、篆書の用筆法は呉昌碩を範としました。
今日久しぶりに開いてみた二玄社・中国法書選の呉昌碩の巻、
剛毅で清い線に圧倒された。印刷ではあるけれど、呉昌碩の石鼓文への並々ならない思いが伝わります。
線を形成する上でとても参考になる。
10年ほど前は、なぜ呉昌碩は石鼓文などを臨書したのかなと、まったく理解に苦しんだけれど、今見ると呉昌碩が石鼓文に何を求めようとしていたのかがほんの少し分かるような気もする。
是非ご覧いただきたいです。
ただ、呉昌碩の目が既に 石鼓文から更に先の時代への変遷を追っていたことが窺われる臨書で、初学者にはまず十分に石鼓文の拓本を存分に見ていただきたいです。
呉昌碩の話をしておきながら拙臨を載せまして恥さらしではありますが、
私なりの臨書を試みています。
ご参考までに。
日本の書道人に「好きな書家は?」と聞けば、きっと2~3割は呉昌碩と答えるでしょう。そのくらい知名度の高い近代芸術家であり、美術館等での展示もよく開催されます。
機会があったらご覧ください。
臨書「石鼓文」 君子迺楽
筆:松島3号 (兼毫筆)
墨:興雲
※ これまでの金文臨書