書家 小野﨑啓太

2018.1.28

石

「石」 180cm×178cm

第66回独立書展出品作

『どうしよう、こんなもの書いてしまった。なんじゃこれは・・・。
自分の中でも規格外。』

こう思うことは、現代芸術としての価値観であると共に、
作品としての「良し・悪し」のひとつの物差しであると思う。

上記のこと、実は狙ってできることではない。

作品が「できた!」と思う時、そのほとんどは、

これまでの自分の経験や、他人の作品との視覚的な一致
に依存している場合が多い。

だれも為したことのない作品を書くことは、やっぱり容易なことじゃない。

二度目となる「石」字を使った作品。
なぜ「石」なのか、じぶんにもよくわからない、笑

数年前から登山を始めたので、そこでみる光景からだろうか、
子供の頃、「路傍の石」と言う本を読んだこともある。

石の上にも三年・・・だとしたら、石より硬いところに三年以上おります。笑

正直なところ、書く文字の意味なんてどうでも良かった。
画数が少なくて、強いエネルギーを受け止めてくれる素材なら。

この場合、やはり書は、存在。