「中山王サク鼎」 (二玄社・中国法書選より)
「中山王サク方壺」と共に戦国期の金文として代表的なものです。
「金文」というと西周期の大型でどっしりとしたものが有名ですが、
大盂鼎
西周(紀元前1046~)が東遷し、中国全体を支配した往事の勢力を失うと共に、(春秋戦国時代・紀元前770年~221年)各地ではいろいろな書風の文字が興りました。
非常に細長く、足長で装飾性を持った書体です。
http://www.9610.com/xianqin/zhongshan.htm
実際にはこのように青銅器に刻むことで作られたようです。
大小十以上の国々が興亡を繰り返した戦国時代。国としての個性を求める、ということがあったのでしょうか。文字もその例外ではなく、かつて重厚なイメージで神事に用いられた西周の金文は、その歴史にあらがうように春秋戦国時代には繊細で流麗な文字へと変化していました。
春秋戦国時代を征した秦によって文字は統一され、この両者(西周の金文・戦国期の金文)の特徴を得たように「小篆」が生まれます。