書家 小野﨑啓太

美文字 から 文字美 「文字BEAUTY」へ。

2017.12.4

美文字 から 文字美 「文字BEAUTY」へ。

文字はなぜ、「美しくならなければならない」のだろう?そんなことが疑問に浮かぶ。

※今日は鉛筆(硬筆)の文字の話だと考えてほしい。

 

文字は丁寧に書こう。文字はゆっくり丁寧に。 姿勢も正してしっかり書こう。

こんなこと、学校でよく言われてきた。 “悪筆はいけない” “文字の乱れは心の乱れです。”

悪筆は恥。 そんなイメージが、僕にもある。 字が下手だった僕は、自分の書いた字が人目に触れることをとても恐れていた。 字が下手だねぇ、習字、習ったら?なんて、よく言われたものです。笑

 

昔、校長先生が言ってた。「僕の悪筆と、悪運の強さだけは評判でして・・・」

なんて。「悪」にかけた冗談。 もちろん悪筆は謙遜なのだろうけど、でも少し「悪筆」にも誇りがありそう。

なんだか変な使い方。こんな風にも「悪筆」(=字が下手)は使えるんだな。かおかしな言葉だな、笑

子供心にもそう思った。

 

本当に、字って、「美しく」なければならないですか?

「美文字」という言葉が頭をよぎる。

テレビでもよくみかける美文字〇〇〇。美文字講座に美文字バトル。

そりゃもちろん、「美しくない」より、「美しい」方が良い。

「下手」よりも、「上手」のが良いのかもしれない。

でも、文字を書くことが苦手で、文字を書くことが好きじゃなかった僕にとっては、今でも少し抵抗感があります。

 

文字は、「美しく」なければならないの?

 

でもなんでなんで、

下手な字。 心動かされることがある。

子供の字、おじいちゃんの字、お母さんからの手紙、お父さんの書き置き。

みんな「美」のある文字ではないかもしれない。でも十分に心は伝わる。

文字は、情感であり、人そのものだから。

 

「美文字」と言う言葉は、ちょっとだけ難しい。書けたら良いけど、それがみんなに同じ制服を着せられるような文字であったら、PCの活字でもあまり変わらない。

美文字は文字を整えることに効果があると思う。とても良い教本もある。

でも、「書けない!」って。どうしても美しい文字が苦手で書けない人もいる。

好きじゃない人もいる。

そんな人にも、文字はやっぱりぜひ、書けるときは、ぜひ手書きで書いてもらいたい。自分の文字だから。

「ウチの子の文字は・・・」 困っているお母さんもいますもんね。

子供には少し、美文字講座は難しい。

美文字の著者や先生はみんな、文字のプロ。書けて当たり前!

教わったみんなが筆耕さん、書家になるわけじゃない。

 

自分のいつもの字、それをどうにかしたい!

ウチの子の文字、どうにかしたい!

字に少しでも自信を持ちたい!

それが悩みじゃないでしょうか。

 

文字は、みんなの文字。それぞれ、大切にする必要があるのです。

だから勇気を持ってこう言わせてもらう。

「文字は美しくなくもていい!」

文字は「美しく」なきゃ  なんて、敬遠しないでほしい。

ぢゃ、テキトーでいいの?  って声が聞こえてきそう。

そうじゃない。やっぱり、気持ちは大切だ。

なんだか矛盾してる?

気持ちは、 「文字の形の美しさ」 だけに使わなくて良い。

ということ。

 

文字、やっぱりどうにかしたい。

「美」ってなんだろう?

 

実は、「美しい文字」を書くことを考えるよりも、

「文字の美しさ」 について ちょっとだけ 知ることで、感覚は大きく変わる。

 

あなたの文字も変わります。

「美しい文字」を書こうなんて、考えなくてもいいのです。

「美文字」じゃなくて、

「文字・美」へ。「文字・BEAUTY」  みんなと、簡単に考えていきたいと思う。

楽しんで、文字の美を学びませんか?

次回更新までに、鉛筆をご用意。

鉛筆は2Bくらいが良いかな?

 

※講座のまとめ

美しい文字を書こう! としなくていい。

文字の美しさについて、これから少し探ってみよう。

文字って何で 美しい のだろう?

 

小野﨑啓太