栃木県護国神社に奉納揮毫させていただきました作品「以和為貴」(280cm×150cm)全貌。
右から左に「以和為貴」とあります。
鮮やかな蝶を描き、その上に重ねた墨。強い雨によって自然にこのように。
「以和為貴」(和を以て貴しと為す)は、平和に、人々が共に生きることを最上のことと説いた聖徳太子の言葉です。
私の表現として、自然現象も重なりこのような作となりましたが、ここに光と陰、善と悪、混濁する中にも共生する生命の喜びを込めたつもりです。
雨で流れるだろうことはわかっていました。 黒い墨だけで書いていたら、それなりの文字だっただろう。雨が降っていなかったら、蝶の上に文字が重なっていただろう。
このような混沌の作は生まれなかった。
単に「和」と言っても、簡単なことではなく、人類永遠のテーマこそが「和」なのだと思う。
「以和為貴」もう一度考え直してみたい言葉だと感じた。
現代アートのようになった今作、私にとっては「絵」ではなく、紛れもない「書」です。