※二玄社 書跡名品叢刊より
居延漢簡のひとつ。 とても小さい画像になってしまって申し訳ないが、この木簡の書き出しの部分、
「永光元年」を臨書してみた。
全体に草書のような流れのある隷書で書かれていて、書き出し付近はほぼ隷書だが次第に草書になっているのがわかる。
隷書から草書への過渡期、あるいは両者が並行して使われていたことを窺わせる時代のもので、とても興味深い。やや不明瞭な字があるが、全体の構成をみても、文字を詰めるだけ詰めた他の木簡とは違い、書き手の美感を感じ取ることができる。
「元」の字や最後の「令」の字など、豪快に筆を走らせた部分が実に木簡らしく気持ちがいい。
木簡の中に年号の記載があるものは多々ある。「永元」とは前漢、紀元前43年のことらしい。年代まではっきりわかることも木簡の魅力の一つだと思う。
「永」という字は、年号の中でも最もよく使われてきた一つだと思う。
そういえば平成の次の年号はどうなるのだろうか。 ほとんど平成を生きてきた自分にとって、平成の世が去ることはなんとなく寂しいが、きっとこの「永」字は使われるのではないかな?などと予想してみたりする。「光」もあり得るかな?
考える人は大変だ。 世界のみんなにとって良い時代が来ることを願う。
木簡は面白いので、もう少しブログでお付き合いいただきたいと思います。